数学がわからないときの心構え

数学

数学の勉強をすると、難しくてわからないときがあります。

数学積み重ねが大事な学問なので、理解につまづいてしまうと、その先の勉強も理解が難しくなってしまいます。

また、人間はわからない物事を不快に思う傾向があります。違和感に従うことで危険を回避したことで生き延びたホモ・サピエンスの末裔である我々は、難しいことやわからないことは抵抗感を感じるように生物の遺伝子レベルで設計・プログラミングされています。

従って、数学の勉強でわからない部分が出てしまうと、数学自体を嫌いになってしまうことがあります。授業で置いてけぼりにされ、数学や理科が嫌いになり、文系選択した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

数学に限らず、新しい、未知のことを学ぶと、どうしてもわからない部分が出てきて、嫌になってしまうことがあります。

そうした行き詰まりを感じたときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。

数学者であり、京都大学名誉教授の森毅先生は、「まちがったっていいじゃないか」というエッセーで、勉強は「楽しまなきゃソン」(同書、p.51)であり、「調子が出るまであせったり絶望したりしなくとも、調子が出たときにやるのでよい。」(同書、p.52)と語っていました。また、「もしもきみが、いまは勉強ができなくても、勉強のできる人を「別の人」のように思うものではない。それは、できる時期がずれてるだけのことだ。人間というものは変わるもので、中学のときに数学大きらいで、おとなになったころに、数学大好きになることだってありうる。」(同書、p.53)と励ましています。

学生を対象とした調査では他の教科と比べて数学は好きと嫌いの回答がはっきり分かれたことが報告されており、そうした背景には小学校の算数教育における比と割合の指導に課題があるのではないかといった指摘があります。

受験などで必要に迫られて試験までに学習を焦らされたり、減点法で間違いを厳しく追求される教育環境で嫌いになるのも無理はないと思いつつ、時間が経って気が向いたときに「あれ?数学って意外と面白いのでは」と気づくこともあるかもしれません。そのときはかつて苦手だったことはキッパリと忘れて、新鮮な気持ちで取り組んでみると、自分の変化にも気づけて楽しくなるかもしれません。

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