某大学の某研究室に大学発ベンチャーについて質問を受けた時に説明した本の一覧。
だいぶ前(~2020年)に読んだ本
学研まんが「スティーブ・ジョブズ」
大学受験の浪人中に横浜の本屋で見つけた本。
大学に入って勉強して就職して、、、以外の、あるいは研究者や技術者として以外の選択を初めて意識した漫画。
ただ、後になって読んだ伝記とかジョブズ周りのインタビューを見る限り、だいぶデフォルメされてるとは思う。
まあ、それくらいの方が夢が持てて漫画としては成功しているのだ。
スティーブ・ジョブズ (学研まんがNEW世界の伝記SERIES)
21世紀へ
ジョブズが影響を受けた日本人の伝記ということで、ソニー創業者に興味を持った。
世紀を跨いで世界の変化を見ることを心待ちにしていたのに1999年没は悲しい話だ。
「NO」を言うこと、経営を科学的に見ていたという点が当時としては珍しい人物だ。
仕事観は極めてシビア。「科学的に面白いから研究する、では、会社は潰れる」など。
米国は仕事で緊張するから休暇が必要だが、日本は仕事でリラックスして休日に刺激。
。。。のように、何かにつけて「米国はすごい」「日本はだらしない」が続いていく。
本人は大阪大学卒のエリートだからこそ、ノブレスオブリージュが人一倍だったのだ。
経営者から政治・経済に物申す人間になったのは本人にとって良かったのかどうか…?
読後感は「22世紀はどうなるのだろう」という素朴な感想を抱いた。多分死んでるが。
21世紀へ
生き方
何かのベンチャー関連のイベントで、ある起業家がこの本を参考にしていると話していたので買って読んだ。
進化心理学でいう「性善説を採用した方が集団が競争に勝ち、個体の適応度が高まる」話を経営に喩えてる。
「地獄と天国の様子の違い」についても、前者が囚人のジレンマ、後者が協調という具体例のように思えた。
人間は短期的には裏切り合う方が合理的だが、長期的には協力し合う方が合理的と科学的に書いて欲しい所。
サンマーク出版のターゲティングとしては道徳的な話にスピリチュアルを混ぜた方が売れるという話だろう。
知識の蔵(という名のアカシックレコード)にヒントを得て発明するとか思考は現実化するとか書いてある。
鹿児島大学を出ても就職難でインテリヤクザになろうとしたけどやめといて良かったという所は面白かった。
性格が悪い方が敵が増えて生き方としては燃費が悪いから、穏やかに誠実に生きておけば間違いはないのだ。
生き方
レバレッジ起業
稲盛和夫にはなれなさそうだが、それでも起業したい、という人に向けて書かれた本。
I Tツールの活用事例とバーチャル社員というアイデアと色々な統計は結構参考にした。
普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業 「バーチャル社員」があなたを救う
ちょっと前(~2022年)に読んだ本
僕は君の「熱」に投資しよう
全体的に「若くないと成功できない」と書くことで若者を煽ることで集客するのはあまりお勧めできない。
IT系スタートアップが元大手出身のSaaS系が淘汰に残る綺麗な業界になりつつある中で時代錯誤感はある。
「Day6」での鮫島さんの研究者とビジネスのプロを繋げてテック系ベンチャーを増やす構想は面白かった。
僕は君の「熱」に投資しよう――ベンチャーキャピタリストが挑発する7日間の特別講義
日本再興戦略
実際は出版当初(2018年ごろ)に読んでいたが、ちゃんと読めるようになったのは数年が経ってから。
学生に研究をさせることと日本がトークンエコノミーを推進することの二つは特に重要な話と思った。
日本再興戦略 (NewsPicks Book)
道をひらく
書いてあることはどれもシンプルでやさしいが読めることとできることは全く違うと気付かされる本。
色々な経験を積んだ上でこの境地に辿り着けたら幸せなことだろう。まだ読むには早すぎた感がある。
目の見えない人の方が慎重に歩くので目が見えて気をつけずに歩く人よりも確実という話が興味深い。
松下幸之助は上の方の本の人物たちと違い、学歴は小学校中退で、家も極めて貧しいスタートだった。
それにもかかわらず、パナソニックを一大企業に育て上げ、「経営の神様」と呼ばれるまで進化する。
たとえどんなに頭が良くて、生まれた家が裕福でも、つまらない悪知恵や悪事をはたらく人間もいる。
恵みが悪に至るくらいなら、最初から恩寵などない方がよく、真心だけが財産であると気付かされる。
道をひらく
最近に読んだ本
特になし。
本は買わなくなった。
図書館で古典ざっと読むことが多い。
最近(2023~?)はドゥルーズとかバタイユあたりのニーチェ評くらい。
昔はインターネットもなく、著名な人物の思想を知るには本を読む必要があった。
今は、気になる人のSNSをフォローすればいい。
課金するなら、税金>食事>睡眠>住居>教育費>交際費くらいが妥当ではある。
ご利益を求めて本、特に自己啓発、を読むくらいなら、何も考えず寝た方がマシ。
紙の本を夜寝る前に枕元で読んで睡眠導入剤的に使うなら「存在と時間」がいい。
この限りにおいて哲学も時には役に立つとも言えるだろう。
存在と時間 1 (古典新訳文庫)
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